2010年1月25日月曜日

日本建築学会「第32回 情報・システム・利用・技術 シンポジウム」に参加聴講報告(1)オープニングシンポジウム 設計情報メディアの進化 ― BIM・アルゴリズミッ クデザイン・デジタルファブリケーション―

昨年の話ですが2009年12月3日(木)建築学会主催のシンポジュウムに参加してまいりました。
明日を含めて丸二日で時間を結構使ってしまいますが、最先端の情報や、情報の少ない段階では、聞いたほうが早い!ってのが、僕の経験則で、参加しました。

開会の挨拶は、情報システム技術委員会委員長/大阪大学の加賀有津子先生でした。先生には、JIAの京都大会のBIMシンポジウムで司会をされていて面識があったのですが・・偉ーい先生だったのですね。先生、京都では生意気なこと言って、すみません!

さてオープニングシンポジウムは、「設計情報メディアの進化 ― BIM・アルゴリズミックデザイン・デジタルファブリケーション―」ということで、講師も海外の先生で、興味を持って聞きました。
しかし、ずーっと英語で、講師の先生の英語の話が、終わってから司会:池田靖史(慶應義塾大学)先生が、概要を翻訳する形で、・・英語の苦手な私は、・・・・トホホ!!
以下、講師の先生方の私の印象をまとめます。
  • Robert Woodbury先生(サイモンフレイザー大学)
  • パラメトリックデザインの要素(Elements of Parametric Design)

英語がわからずとも、スライドは実務的な説明が多く、なるほどと思いました。パラメトリックとは、変数によって変化すること。y=f(x)で、xが変化すれがyが法則にしたがって変化すること。部屋の一片の長さを変えると、決めれれた法則にしたがって、幅や高さが決めれれたリ。構造で言うと、長さが決まれば、自動的に太さが決まる感じ。先生は、下のサイトを紹介していました。
Design Patterns for Parametric Modeling
このサイトの、Examples Selected Pointsが、よく使われる例だと思います。
講演では、スタジアムの客席の平面的円弧と観客からの視覚確保の雛壇上の断面設計を、このパラメトリックデザインで行った事などを紹介していました。
そこで紹介した設計ソフトはBentleyのGenerativeComponentsでしたので、この開発に深くかかわった先生なのでしょう。
GenerativeComponentsについて簡単な紹介にしたのサイトを紹介します。
bentleyのGC紹介ページ
私の練習のためのモデル紹介
GenerativeComponentsは、見ると使ってみたくたまらないのですが、使い方が難しい!これを開発した人は恐るべし!と思うのですが、これは、Arup, Foster + Partners, Grimshaw, Buro Happold’s SMART group, RMIT University, Princeton University, Stuttgart University の面々らしい(ベントレーのメールマガジンからSmartGeometryグループ
しかし、先生はこの講演資料に次のように書いている。
「パラメトリック・モデリングを使うのはほとんど全員がアマチュアプログラマーである。私は文字通り、かつ賞賛の意味でアマチュアという言葉を使いたい。・・・彼らはコードを見つけると、コピーして、試して、修正することで、それが身近である作業に役立つようにする。・・・アマチュアはプログラミングが良いツールとなって完了されるべき仕事があるからプログラムするのである。目的が最優先である、ツールはそれに適切であればいい。大部分のプログラムがアマチュアによって書かれているのが現実である。」
これに、私は励まされた!ママチュアリズム万歳!!
今年はGenerativeComponentsにチャレンジしたい!

調べると先生の著作が近日発売予定のようです。
Elements of Parametric Design(ソフトカバー)
Elements of Parametric Design(ハードカバー)

次に
  • Kostas Terzidis先生(ハーバード大学)
  • 順列組み合わせの建築Permutational Aarchitecture
何せ、先生の英語は、流暢で、早い早い、私にはこれまたトンと理解不能??
講演では、2×2の枡の数字の組み合わせを全部洗い出し、その中からある特徴的なパターンを選ぶ。同様に3×3枡のパターン。これを、ユーティリティーユニットで、扉、洗面、浴槽、便器のパターンを全て洗い出し、可能なパターンを選ぶ事例を示していました。
つまり、コンピューター・プログラムツールの可能性は、膨大な、というより全可能性を洗い出した上でスタディーの中から適切な回答を選ぶ作業だ!と・・・。
この組み合わせスタディーを、病院施設の部屋の配置計画にも応用して、複数階で構成される平面・断面の決定を行う研究事例を示されていました。つまり、パラメトリックデザインの平面・断面計画バージョン!
いえ、先生は、このような、生成的デザイン手法を、Algorithmic と呼んでいます。Algorithmic Architectureの生みの親のようです。
スライドでも紹介していた著作は、
   
です。
特にAlgorithmic Architectureについては、後の講演で竹中司(ブリテッシュ・コロンビア大学)さんが、美しいAlgorithmicデザインの事例を説明する前段で、アメリカでは、これがAlgorithmicの「バイブルだあり最初の教科書」のようなことを話していました。
そこで、最近私も購入!前段はプログラムの原理的な話し、後段はプログラムのスクリプトらしきものがあり、実際にAlgorithmiccデザインの事例をあげていますので、今回の講演の内容とは、随分異なる内容に感じました。・・ウーンまだ全然読んでませんが!!
一方Algorithms for Visual Design Using the Processing Languageも先生の最新刊として購入しましたが、デザインモデルの原型とその変化について書いているようですが、こちらは、最初から最後までスクリプトが!!

アマチュアリズムの僕としては、・・・トホホ・・


そして
 
  • 城所竜太さん(アラップジャパン)

構造の話で、接点をなにやら、固定しないで、ルーズな変形可能な接点とする。城所さんは、これを、相互依存構造といっています。これで、同じディティールで局面をさまざまな形に変形できる構造を提案していました。すごい! 


このセッションの最後は
  • 山下純一さん(IAI 代表理事・株式会社CIラボ代表取締役)
山下純一さんは、BIMと呼ばれる以前、3次元設計の時代から、この普及に尽力されている方のようです。「仮想ライブ設計競技BLT2009」の仕掛け人。その報告もありましたが、前段で、BIM・3次元設計の欧米での導入のきっかけは、米国国立標準技術研究所(NIST: National Institute of Standards and Technology)は、報告書の中で、「建設プロジェクトにおける情報共有が不十分なために、生産性が著しく低い」との指摘によるようです。右の図は、他産業と建設業の労働生産性のグラフ。よく使われているデータのようです。とすると、デザインもいいのですが、「立体設計による施工可能な設計と見積もりの把握こそ、BIMの社会的使命!!」ともいえるのではと思うのですが。私のホームページ「3D・BIM設計innovationセミナー」見てくださいね・・でも、わかりやしデザインの革新性の方に、つい目が行ってしまうのですね。特に日本人は。。。

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