2009年7月28日火曜日

MV22オスプレイ・を建築設計者が見ると

2009年4月24日朝日新聞夕刊
「安全性不安定な米軍ヘリ 沖縄配備政府伏せる? 「聞いていない」に、地元不信感」
という見出しがあって。政治的心情からは、また、朝日か!と思われる人もいるかしもれない。
ここで僕が注目したのは、「開発段階で墜落事故が相次ぎ一時中断されるなど、安全性への不安が指摘されていた「いわく付きの機種」(防衛省幹部)だ。」と紹介されているMV22オスプレイであった。
これである。ゲゲー、これがヘリコプター?まさに子供のころ未来の飛行機?なんて出ていたイラストそのものではないか。ローターを回転させ、水平飛行では双発の飛行機に・・。ヘリコプターの概念を飛び越えてしまっている。アメリカのアイディアまさに恐ろし・・である。
一方、こんな記事も、
F22、日本導入困難に 米上院が追加生産認めず」2009年7月22日asahi.com
ああ、また日本人防衛族の高級品おねだり路線か。大和のような巨艦主義に走ったように、単に最上級狙い。F22は、アメリカさえ尻ごむ高価な戦闘機。(F22増産に拒否権方針 米大統領、上院委に)
しかし、その代案で、より生産費用の安いF35を見て、ぶったまげた。
垂直離着陸機ではないか。小学校のころイギリス軍のハリアーが出てきて、すごい!!と思った。フォークランド戦争でも活躍のことを思い出す人も多いと思う。その、さらに発展系らしい。ハリアーは、イギリスのみならずアメリカ海軍でも使われていたらしいが、どうも、主力とはいえないイメージがある。ところで、wikipediaの表を見て驚いた。

採用国購入量型式調達年変動
オーストラリア100 F-35A2014
カナダ80 F-35A2017
ドイツ48 F-35A2016
アメリカ合衆国
アメリカ空軍
アメリカ海軍
アメリカ海兵隊

1763
340
340

F-35A
F-35C
-35B

2013
2015
2012
イスラエル25
イタリア
イタリア空軍
イタリア海軍

109
22

F-35A
F-35B

2014
2014
ノルウェー48 F-35A2015
オランダ85 F-35A2016+15追加
イギリス138 F-35B2015
トルコ116 F-35A2014
ちなみに、現在活躍中のF-16の生産台数はwikipediaのF16を参照にされたい。
それで、設計者から見ると何がすごいのって、ことになると、その発想の違いである。
いずれも、今までの発想からは、違う次元で、考え直され、失敗を乗り越えて、実現しちゃう。前例など、くそ食らえの、姿勢である。
しかし、その裏には、技術的に新しいことをドントン取り込む姿勢、技術による解決を大切にする思想がある。さらに、その新しいものを、どのように、システムとして運用するかという、背景もしっかりしているからに違いない。
MV22については、ヘリコプターの水平飛行速度の不足を補うに必要な、新しい技術的解決法なのであろうし、F35は、小回りと高性能・かつ低コストを実現させる技術的解決策であろう。さらに、その背景には、地域紛争が多発するこの状況で、空母艦載能力や、飛行場の大小に左右されない小回りの効く、活動が軍に求められているのかもしれない。
これに対し日本はどうであろうか。
太平洋戦争のはじめ、ゼロ戦・空母は、独創性のある技術的な頂点であったことには違いない。
しかし、航空機の生産システムは、大量生産にまったく対応していなかった。空母においても、船団としての、また、飛行機との統括的システムとしての運用も考えられなかった。戦争史に詳しい人には、異論だらけであろうが、設計者からの視点はこう見える。
戦後の自動車にしても言わずもがな、改良・改良、そして小型化。これがいいところであろうが・・。
軍事産業に目を向けると、戦車などは、真似っこ、真似っこである。(おい、ちょっとなまってる。)
建築においても、大先生は、世界的建築家となり、活躍中であるが、一方で、日本で多く見られマンション・高層建築・戸建住宅、いずれも多くは、どこかの写真で見たことがあるような建築が、にょきにょきつくられ続けられている。設計者としての独創性、情念みたいなものが感じられない。
全ては、生産性・経済性という名の下で、つまらぬものが、つくりつづけられている。
どうも、僕には100年愛され、使い続けられる建築とは思えない。
やっぱり、設計は、分野に限らず、目的を考え抜いた独創性と、全体システムと協調が必要なんだよね。
イギリス・アメリカはここがすごいって思ってしまう。
こんなことを考える僕の参考文献として、これを読んで、こんな考えにいたりました。
これは、国民気質による、設計思想の違いを、第2次世界大戦の飛行機の設計の違いから、観察しています。「なるほど、建築も同じだ!」って、当時は思いました。
日本人の全体システム・構造的思考力の弱さを、指摘しているように読めました。ヒロシの蔵書の中では、社会・経済・経営分野の中で、アマゾン売り上げランキングなんと1位!(日本の書籍全体で600-700位)と、すごい評価!なのですが、・・・それから全然学習できない日本人・・・って感じ!!

いやー、その先頭が俺かも・・・ってね。


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