2010年1月26日火曜日

日本建築学会「第32回 情報・システム・利用・技術 シンポジウム」に参加聴講報告(4)-アルゴリズミック・デザインとものづくり教育を繋ぐ

二日目12 月4 日(金)pm。「 新しい建築デザインの教育について意見交換する。企画 ― 複雑系の数理科学とアルゴリズミック・デザイン小委員会、建築情報マネジメント教育小委員会」の内容。

ああ、いささか書きすぎて疲れてしまったので、このセッションは簡単にと思う。

  • 松島史朗 先生(豊橋技術科学大学)
  • ICTがつなぐ建築技術とデザイン教育
海外の大学デザイン教室は工房と化す。大型レーザーカッター、3次元コピーがずらり。日本の松島史朗 先生のところも同様のようである。大学って、設備充実でいいですね・・設備充実でやっぱり、と思った。高橋建築研究所は、PCだけだよ・・。
  • 大崎純 先生(京都大学)
  • アルゴリズムによる構造デザインの現状
  昔ながらの、固定法・撓み角法なんて、もういらない!って感じでした。有限要素法がわかれば全部出来てしまう!って。それより、PCを使い込んで、以下にしたら、自動的に最適解が得られるかって感じ!
たとえば橋の構造設計をするとき、同様の条件で極力PCの自動的計算で、最適なデザイン解を求めちゃうってやっていた。写真は、4人がそれぞれやったその結果で、4人全ての形が違う。なんだ、自動的に設計しても解答は違うの?ってこと。そう、やっぱり、条件設定は人間がやるから、やっぱりさまざま、もしくはいくつかの条件があって、形が変わってしまう。アルゴリズミックといえども、人間次第ってこと?
それと、アルゴリズミックな構造設計が体験できるフリーツールがあるって。
渡辺誠・大崎純(ご本人)・千葉貴史による「形力2」
中ほどの
Download "KeiRiki-2" :800KB
Download "KeiRiki-1w" :900KB
をクリックするとダウンロードできます。僕もダウンロードしたが、まだ、使い方がわからない。
  • 竹中司 先生 (ブリテッシュ・コロンビア大学)
  • 関係性を「かたち」にするパラメトリックな設計手法

美しいプレゼンテーションに魅せられてしました。
そんなことで写真も撮り忘れてしまって・・・
しかし、これは、択一した、プログラミングが出来ないと無理らしい。竹中司 先生は、「ユークリッド平面上のXYZ座標をオブジェクト座標系であるUVN座標へ移送するプログラム」を開発し、自由な3次元曲面にランダムな形態を配置するプログラムを開発し、これが大きな評価をうけているという。
それで、作られた、モデルがスクリーンで発表され、私は魅せられてしまったのである。
また、ランダムネスをデザインに取り入れたという現在進行中のプロジェクトも紹介されていた。
これから、デザインと、プログラムを駆使した、先端デザインをアメリカで学んだ若手がいっぱい出てくるのかなー?とも思った。
アメリカ、恐るべし!そして、僕はどーなるんだー!
  • 木村謙 先生 (エーアンドエー)
  • アルゴリズミック・デザイン時代の建築教育
日本で、アルゴリスティックな手法に早くから取り組んでいた先生である。どうしても、日本の建築教育立ちは、プログラムを組んで、もしくはスクリプトを書いてPCを動かすのが、苦手で、との指摘もあった。質・量共に現在は、前の竹中先生を例にとるように、欧米が、断然リードって感じもするが、そんな状況で、1つから考えチャレンジしていることに共感を覚えました。

以上、このセッションの報告終了。
いやー、疲れて手を抜いてしまいました。

この、4回の報告は、ついつい長くなってしまった。
せっかくなので、この機会に自分のたち位置を、冷静に考えてみようって、思いもあったのだと思う。
いや、計画性のない単なる凝り性??

おしまい。

日本建築学会「第32回 情報・システム・利用・技術 シンポジウム」に参加聴講報告(3)-BIM活用の現状と課題-

二日目12 月4 日(金)am。「建築実務の現場でBIMがどのように利用され、どのような課題があるか。創造性、生産性向上などBIMがもたらす未来について討議する。(企画 ― 情報連携BIM研究小委員会、設計・生産の情報化小委員会)」とのことで、現在、BIMが実務にどう利用されているか、日本の現状のわかるセッションであった。

  • 村松弘治さん(安井建築設計事務所 設計部)
  • BIMの活用ー独創的発想で高い品質の建築をつくる
2007年のJIA大会・IPシンポジウムで、安井建築設計事務所でも、会社をあげて、本格的にBIM設計体制に入るということを、風のうわさに聞いていた。大手専業設計事務所での取り組みの現状について注目される。報告では、「環境シュミレーション」「基本設計-実施設計」と大手設計事務所だけあって、オールマイティーに使っている感じである。
環境シュミレーションについては、次の発表にもあるように、大手設計事務所では標準なのかと・・驚く。
「実施設計」での利用の仕方が、まずもって難しく興味あるところであるが、3Dもモデルから、図面の作成はもちろんであるが、「面積表、建具表、仕上表」等のリスト・表関係も抽出しているレベルのようだ。また、私などは、住宅レベルの規模の実験で終わっていつが、大規模庁舎設計での利用であるから、おそれいった。このように大規模なものになると、「面積表、建具表、仕上表」等のリスト・表関係との整合性は、設計実務者ならいままでの苦労は想像がつくのであるが、その整合性の高さを強調されていたように思う。官公庁設計においては、特に重要視されよう。BIM利用にも設計事務所の特徴が現れる。
ただ、利用率を見ると、東京事務所で「計画75%、基本設計50%、実施30%」とのことで・・・、これをどう見る?設計見積・数量調書については、報告されておらずまだな用である。
ちなみに、
『私の場合、BIM利用率「計画100%、基本設計100%、実施100%」・設計見積・数量調書も作成!』建築住宅3D・BIM設計innovation/高橋建築研究所
また、大手事務所の課題・重要性として「レギュレーション・スタンダード・スキル」をあげていたのが注目される。組織事務所のあってはBIM利用の標準利用方法の決定と、運用が有用なところであろう。
今後の課題は「意匠・構造・設備の連携」「広く創造的アイディアを導く」「都市環境設計への活用」をあげている。「施工、ファシリティーマネージメントへの展開」もあげているが、リスト・表関係の活用にとどまっている模様で、「コストの展開」も上げているが、その活用については具体的提案はなされていなかった。
  • 永瀬修さん(日建設計 設備設計部門環境計画室)
  • BIMと環境シュミレーションの現状
永瀬修さんが、設備設計担当であることもあり、シュミレーションの話が中心であった。
私の情報では、日建設計では、グループごとにCAD利用の運用が任されており、利用の程度・運用CADソフトも統一的には利用していない模様である。ただし、グループによってはBIMの先端グループもあるようであるが、今回の報告にはもりこまれていなかった。
中規模事務所の室内換気空調シュミレーションも3Dで行っている様であるから、利用頻度も高いのではないかと思う。シュミレーションも身近なものになったと驚くばかりである。
ただ、建築の3Dモデルがないときは設備で作らなければならないし、建築のBIMモデルがあったとしてもモデル精度が高すぎ、これも3Dモデルの作り直しがあるなど、課題もあるようである。
地域開発用のシュミレーションは、多彩なようで、風速・温度シュミレーション、さらにCO2シュミレーションと多彩で、驚いた。 
  • 綱川隆司さん(前田建設工業 建築設計部 建築設計グループ 3D・シームレスチームリーダー)
  • 設計施工におけるBIM活用の現在と課題

こちらはBentleyの支援も全面的に受け、全社的に利用している。というのは織り込み済みであった。
ただ、発表で自社の高層ビルBIMモデルを実際にPCで動かし、ウォークインスルーでプレゼンテーションしているのには、驚く。こちらは、設計から、実施設計まで、ほぼ全社的な取り組みであろう。
ただ、実際の設計生産性を問われると、基本実施段階での設計生産性が向上したのではなく、BIMデータを利用した施工図段階での設計図生産性の向上で、設計行為全体のバランスを補っているように、説明からは感じ取れた。
また、見積書作成については、言及されておらず、まだ、実施率はまだら模様なのであろうか
それと、使用BIMソフトであるが、Bentley製品を全面使用かと思えばそうでもないようで、autodsk-Rvit、graphisoft-archicadの混在模様?のようだ。
  • 伊藤正比呂さん(大成建設 建築本部技術部技術計画部 建築生産システム推進担当)
  • 建設現場におけるBIM活用の現状と課題
BIMの活用が現場にまで及んでいるのには驚いた。たとえ手書き図面の時代から設計の図面を理解するのは現場でも一苦労、というのがたとえスーパーゼネコンといおうとも、現場での僕のイメージであるが・・3Dデータをここまで利用しているとは、驚きである。さらに伊藤正比呂さんの話し方では、設計よりむしろ現場の方が積極的な雰囲気で、設計で3D・BIM設計がなくとも、現場にて3Dモデルを作成し、仮設計画・収まりの詳細検討・出来高管理を行っている感じである。たとえ、スーパーゼネコンのモデルケースと割り引いても、やっぱり驚いた。
この10年の大きな物件から遠ざかっているので、やっぱり遅れてるのかな?・・なんて。
でも、逆に考えると、3D・BIMはむしろ現場で威力を発揮するということかもしれない。その理由は、「設計と違い結局細部詳細まで決定する必要があること」「設計教育になじみが薄い現場の担当者・職人は、むしろ立体で見たほうがやっぱり理解しやすく間違いて戻りがないこと」「設計が決まっているので3D・BIMモデル入力が楽なこと」「立体のほうが出来高・工程管理に有効なこと」などがあげれれるとおもいます。・・どうですか?こういう考え方は・・。
  • 田部井明さん(竹中工務店)
  • IPDとCPD
アメリカでBIM普及のきっかけとされているのが、米国国立標準技術研究所(NIST: National Institute of Standards and Technology)による2004年の生産性の低さの指摘と、それに伴う建設発注者会議(The Construction User's Roundtable (CURT))による政府と・発注者団体への強い働きかけだという。これに建設発注者会議(The Construction User's Roundtable (CURT))はすでに回答を持っていた。つまり、生産性の向上には、
  • BIMを利用した統合化
  • フロントローディング
  • リスク・成果の共有
  • コラボレーション
これにより
  • 20%プロジェクトコストを抑制
  • 25%早い進捗
  • 35%安全性を改善
  • 30%生産力を向上
  • 多くの品質改善
  • 競争優位
だそうである。つまり、プロジェクトの全体に渡り合理化を図るシステムを構築する。そのツールとしてBIMの導入が進められたという。・・なので、BIMの具体的ツールの利用というより、それに伴うプロジェクト組織システムをどうするかという契約形式の話となる。
ところで、この「BIMの導入し、プロジェクトの全体に渡り合理化を図るシステム」をAIA(米国建築家協会)は、2005年5月にIP(Integrated Practice 業務統合)と名づけ、2007年12月には、Integrated Project Delivery (IPD、統合プロジェクト推進法)として、第4の契約方式Integrated Project Delivery: A Guide (IPD契約書)を紹介したとしている。つまりAIA(米国建築家協会)の契約方式は、
  • 入札方式  Design-Bit-Build
  • CM方式   Construction Manager at Risk
  • デザインビルド方式 Design-Build
  • IPD方式 Integrated Project Delivery
以上の4つであるとのこと。しかし、このAIA・IPD方式の前に、ConsensusDOCSが、IPD用の契約書を発表している。
ConsensusDOCSとは、23の建設系関連団体が、公正なリスク配分がなされるような工事契約方式を統一的に作ることを目的とした組織だそうである。
IPD契約書もCPD契約書も内容的には、ほぼ同じのようであるが、・・IPD契約書では、GMP(最大保障価格)のSEP(目的会社方式)いずれか選択?や、CPD契約書では目的原価見積をベンチマークに適合予算設計としている違いがあるとのことである。このような、記述は、たぶん原価の公開性が高い欧米での前提である上での話ではないかと思うのであるが・・いかがであろうか。
まとめに、田部井明さんは、日本の現在のゼネコンの契約方式は「IPD契約もCPD契約」の方法とほぼ実現していると・・・。。
さらに、最後に、よくぞ言った決定的ひとこと、「ゼネコンが施工段階で図面を書き直すのは、設計事務所の図面が、まったく信用ならないからである」と!!そのとおり・・・と。

で、ここからは、私の私見ですが、

しかし、3つ見失っていることがあると思います。
  1. 欧米では専門工事費・下請け費が比較的オープンであるが、日本のゼネコンの設計施工一括請負方式は、原価の実体が、まったく秘密であること。
  2. 建設工事の価格実体は、国内の囲われた社会経済での価格であり、本当にこれが生産性の高い価格の実態であるかは不明であること。(ならば、建設業だけが、なぜに裏献金の話が、引きも切らずに出てくるのか。)
  3. 現在の価格が、高い生産性であったとしても、公正なリスク配分、公正な利益分配がなされているのか?という問題が残る。
このような不透明性があると思うのです。ゼネコンの設計施工一括請負方式は、形式で言えば、先端「IPD契約もCPD契約」どころか、「入札方式  Design-Bit-Build」にも至っていない。 入札方式  Design-Bit-Buildは、専門工事会社と発注者の直接の契約ですよね!!それ以前の契約形態とはいえませんか?
そもそも、欧米と出発点が違うのだと。

  • このセッションを終えて、思うこと。

ある意味で、田部井明さんの「契約形態」の分析と「ゼネコンが施工段階で図面を書き直すのは、設計事務所の図面が、まったく信用ならないからである」という言葉が、BIMの日本での実体を、最も決定付けている言葉だと思う。
つまり、「プロジェクトの全体に渡り合理化を図るシステムを構築する。そのツールとしてBIMの導入」というのが欧米で普及させようとする推進力である。然るに、日本は、プロジェクトの全体に渡り統括的契約をする「ゼネコンの設計施工一括請負方式」が幅を利かせ、ゼネコン内部の生産性をあげるツールとしての現状のBIMの存在が明確になったといえる。大手設計事務所の導入もあるが、現状では、官公庁物件の契約資料の合理化がその主な目的に見える。「平成21年国土交通省告示第15号」の設計料に到底及ばない設計料は、川上である設計でBIM設計という精度の高い・高度な設計手法により、川下の施工の合理化を促し、プロジェクト全体の効率を上げるという手法を、許さないのが現状である。ゆえに、小規模設計事務所のBIM利用は、CG・レンダリング作成と、多少奇抜な形態を追うツールに甘んじているのである。
これが、このセッションを通じ、私の現在の考えである。
しかし、この状態を、打破せねば!!と言い聞かせる僕がいて。・・前へ!と言い聞かせている僕。


日本建築学会「第32回 情報・システム・利用・技術 シンポジウム」に参加聴講報告(2)-生命環境モデルとGISの可能性

「GIS(地理情報システム)を用いた建築・都市・地域環境計画の可能性を話し合う。企画 ― 情報社会デザイン小委員会」で、実は、華やかなオープニングシンポジウムが午後で、このシンポはその前の午前中に地味に始まった。
私も、GISなんぞは、関係ない領域と思っていたのであるが、これを聞いて、もっと身近なツールのようにも思えてきた。
発表は、以下の先生方であった。
  • 笹川正(パスコ)
  • 都市計測の手法とGIS利用の展望


GISの原理やら、いろいろな測定データがあり、利用できるらしい。
グーグルアースがあれば十分と、勝手に思い込んでいたのであるが、世の中、そうでもないらしい。
もう少し、身近なツールとして、利用できるかもしれない?という感触を持った。





  • 佐藤圭輔(立命館大学)先生 
  • GISを利用したダイオキシン類動態モデルと生命環境モデルへの展開
   ダイオキシンの拡散を、大気モデル(ADMER)で分析し、流域モデル(BASINS-HSPF)で、ダイオキシンが、河川の水の流れで、どのように流出・蓄積されて行くかの研究らしい。うーん、建築とはあまり関係ない!と思っていたのであるが、しかーし、上の二つのモデルがフリーモデルらしいことを聞いて、ぶったまげた。
ちなみにいま検索してみたら、
大気モデル(ADMER)
流域モデル(BASINS-HSPF)
むむー、本当にフリーソフトではないか。フリーソフトを駆使したら、いろんなことが出来るかもしれない。

  • 山田悟史(立命館大学)先生 
  • 環境認知よりとらえた生命環境モデルの構築に向けて
  先生のは、ちょいと難しすぎた。結果は、ケビン・リンチから脈々と続く、都市空間の認識の結果と同じようにも思える。ただ、分析方法が、主観的要素が少なく、より、科学的・客観的・数理的方法だと思うのですが・・・。CGIとフラクタル次元解析を使って、とのことで・・フラクタル次元解析と聞いて、頭が吹っ飛びました。フラクタル次元解析の簡単なフリーソフトがあったらなー・・せめて。 


  • 清水英範(東京大学)先生 
  • 空間情報学を利用した国土や都市の歴史研究-江戸の都市景観の再現研究を例として-
  なじみやすい、お話でした。広重や北斎の描いた浮世絵に描かれた、富士山とお城が良く見えた日本橋からの景観。これが、本当なのかというお話。江戸の町の構造を紹介するときに、このような浮世絵の空間を「正しい」と疑わず、ビスタを意識した江戸の都市空間のなどとよく論じられて来た。でも、よく考えてみれば、浮世絵は、相当にデフォルメされているはずで・・。それで、それを考え直そうという話。地図は、江戸の大名屋敷を書き込んだ詳細な地図がある。しかし、測量(方位・距離)は、正確ではないはずで、江戸の地図を明治の陸軍陸地測量部の地図と、CGIによる平面高さの調整により、江戸の町を再現して見るという話。当時は、すでに天守は消失してないから、台所前三重櫓が見えていたのは、北斎では合っていたようだ。広重の櫓と江戸城の高さ関係は、ちょっと違うようだ。また、肝心の富士山は、どうも日本橋から堀の正面近くには見えなかったようだ。左手の蔵群の見えたらしい。ということで、浮世絵をそのまま信じてはいけないらしい。
しかし、考えた見れば、写真もなかった時代、人が町の中を、動いて、つまり視線を断続的に移動しながら見たイメージが、都市、そのもののイメージなのであろう。それをそのまま1枚の紙に表現すると、こうなった、ってことかもしれない。ある意味、こっちが正しいかもね。
いまは、写真で切り取られた断面を見て、なんとなくそれが正しいと思ってします。たとえそれを見ていなくとも。しかし、人の視線は断続的に動き、イメージが生成されるわけだから、それを考慮しなければならない。そこに、3Dで都市を考える可能性が開けるかもしれない。 

ついでにGISが身近に感じられたので、基本的か関連サイトを調べたので、メモしておきます。フリーソフトもあるんですね。
GSIポータルサイト(基本情報のチェックに便利そう)
フリーのGISソフトQGIS(Quantum GIS)を試してみる(フリーソフト)
数値地図対応ソフト一覧(フリーソフト)

2010年1月25日月曜日

日本建築学会「第32回 情報・システム・利用・技術 シンポジウム」に参加聴講報告(1)オープニングシンポジウム 設計情報メディアの進化 ― BIM・アルゴリズミッ クデザイン・デジタルファブリケーション―

昨年の話ですが2009年12月3日(木)建築学会主催のシンポジュウムに参加してまいりました。
明日を含めて丸二日で時間を結構使ってしまいますが、最先端の情報や、情報の少ない段階では、聞いたほうが早い!ってのが、僕の経験則で、参加しました。

開会の挨拶は、情報システム技術委員会委員長/大阪大学の加賀有津子先生でした。先生には、JIAの京都大会のBIMシンポジウムで司会をされていて面識があったのですが・・偉ーい先生だったのですね。先生、京都では生意気なこと言って、すみません!

さてオープニングシンポジウムは、「設計情報メディアの進化 ― BIM・アルゴリズミックデザイン・デジタルファブリケーション―」ということで、講師も海外の先生で、興味を持って聞きました。
しかし、ずーっと英語で、講師の先生の英語の話が、終わってから司会:池田靖史(慶應義塾大学)先生が、概要を翻訳する形で、・・英語の苦手な私は、・・・・トホホ!!
以下、講師の先生方の私の印象をまとめます。
  • Robert Woodbury先生(サイモンフレイザー大学)
  • パラメトリックデザインの要素(Elements of Parametric Design)

英語がわからずとも、スライドは実務的な説明が多く、なるほどと思いました。パラメトリックとは、変数によって変化すること。y=f(x)で、xが変化すれがyが法則にしたがって変化すること。部屋の一片の長さを変えると、決めれれた法則にしたがって、幅や高さが決めれれたリ。構造で言うと、長さが決まれば、自動的に太さが決まる感じ。先生は、下のサイトを紹介していました。
Design Patterns for Parametric Modeling
このサイトの、Examples Selected Pointsが、よく使われる例だと思います。
講演では、スタジアムの客席の平面的円弧と観客からの視覚確保の雛壇上の断面設計を、このパラメトリックデザインで行った事などを紹介していました。
そこで紹介した設計ソフトはBentleyのGenerativeComponentsでしたので、この開発に深くかかわった先生なのでしょう。
GenerativeComponentsについて簡単な紹介にしたのサイトを紹介します。
bentleyのGC紹介ページ
私の練習のためのモデル紹介
GenerativeComponentsは、見ると使ってみたくたまらないのですが、使い方が難しい!これを開発した人は恐るべし!と思うのですが、これは、Arup, Foster + Partners, Grimshaw, Buro Happold’s SMART group, RMIT University, Princeton University, Stuttgart University の面々らしい(ベントレーのメールマガジンからSmartGeometryグループ
しかし、先生はこの講演資料に次のように書いている。
「パラメトリック・モデリングを使うのはほとんど全員がアマチュアプログラマーである。私は文字通り、かつ賞賛の意味でアマチュアという言葉を使いたい。・・・彼らはコードを見つけると、コピーして、試して、修正することで、それが身近である作業に役立つようにする。・・・アマチュアはプログラミングが良いツールとなって完了されるべき仕事があるからプログラムするのである。目的が最優先である、ツールはそれに適切であればいい。大部分のプログラムがアマチュアによって書かれているのが現実である。」
これに、私は励まされた!ママチュアリズム万歳!!
今年はGenerativeComponentsにチャレンジしたい!

調べると先生の著作が近日発売予定のようです。
Elements of Parametric Design(ソフトカバー)
Elements of Parametric Design(ハードカバー)

次に
  • Kostas Terzidis先生(ハーバード大学)
  • 順列組み合わせの建築Permutational Aarchitecture
何せ、先生の英語は、流暢で、早い早い、私にはこれまたトンと理解不能??
講演では、2×2の枡の数字の組み合わせを全部洗い出し、その中からある特徴的なパターンを選ぶ。同様に3×3枡のパターン。これを、ユーティリティーユニットで、扉、洗面、浴槽、便器のパターンを全て洗い出し、可能なパターンを選ぶ事例を示していました。
つまり、コンピューター・プログラムツールの可能性は、膨大な、というより全可能性を洗い出した上でスタディーの中から適切な回答を選ぶ作業だ!と・・・。
この組み合わせスタディーを、病院施設の部屋の配置計画にも応用して、複数階で構成される平面・断面の決定を行う研究事例を示されていました。つまり、パラメトリックデザインの平面・断面計画バージョン!
いえ、先生は、このような、生成的デザイン手法を、Algorithmic と呼んでいます。Algorithmic Architectureの生みの親のようです。
スライドでも紹介していた著作は、
   
です。
特にAlgorithmic Architectureについては、後の講演で竹中司(ブリテッシュ・コロンビア大学)さんが、美しいAlgorithmicデザインの事例を説明する前段で、アメリカでは、これがAlgorithmicの「バイブルだあり最初の教科書」のようなことを話していました。
そこで、最近私も購入!前段はプログラムの原理的な話し、後段はプログラムのスクリプトらしきものがあり、実際にAlgorithmiccデザインの事例をあげていますので、今回の講演の内容とは、随分異なる内容に感じました。・・ウーンまだ全然読んでませんが!!
一方Algorithms for Visual Design Using the Processing Languageも先生の最新刊として購入しましたが、デザインモデルの原型とその変化について書いているようですが、こちらは、最初から最後までスクリプトが!!

アマチュアリズムの僕としては、・・・トホホ・・


そして
 
  • 城所竜太さん(アラップジャパン)

構造の話で、接点をなにやら、固定しないで、ルーズな変形可能な接点とする。城所さんは、これを、相互依存構造といっています。これで、同じディティールで局面をさまざまな形に変形できる構造を提案していました。すごい! 


このセッションの最後は
  • 山下純一さん(IAI 代表理事・株式会社CIラボ代表取締役)
山下純一さんは、BIMと呼ばれる以前、3次元設計の時代から、この普及に尽力されている方のようです。「仮想ライブ設計競技BLT2009」の仕掛け人。その報告もありましたが、前段で、BIM・3次元設計の欧米での導入のきっかけは、米国国立標準技術研究所(NIST: National Institute of Standards and Technology)は、報告書の中で、「建設プロジェクトにおける情報共有が不十分なために、生産性が著しく低い」との指摘によるようです。右の図は、他産業と建設業の労働生産性のグラフ。よく使われているデータのようです。とすると、デザインもいいのですが、「立体設計による施工可能な設計と見積もりの把握こそ、BIMの社会的使命!!」ともいえるのではと思うのですが。私のホームページ「3D・BIM設計innovationセミナー」見てくださいね・・でも、わかりやしデザインの革新性の方に、つい目が行ってしまうのですね。特に日本人は。。。

2010年1月7日木曜日

白菜の漬物の仕込み

実は、正月元旦早々、白菜をつけました。本当は、もう少し早くていいんだろうけど、めんどうなのと、あまり、寒くなっていない感じがして。白菜は、近所の八百屋で、二玉購入。
僕の場合、1玉を1/6に分割。1/4では、食べにくいのと、大きすぎて、漬けにくい。
葉っぱの間に、塩をパラパラ。結構、使うので、安い塩でOKだと思う。
これは、家の庭で取れた、唐辛子。これも、適当に入れる。今年は、あまり採れなかったので、ちょっとケチった。
で、こんな感じ。樽に収まっていませんが、・・・半日か一日で、白菜から水が出て、しんなりとなって、入る予定。そうしたら、上に石をのっけて、終わり。・・・つづきは後で。

2010年1月6日水曜日

あけまして、おめでとうございます。雪の朝

正月があけて、北上の実家に帰省。
久しぶりに、雪の晴れた朝、を体験しました。
これって、僕の原風景なんだ。・・たぶん。
実家の前の道。

雪が積もると全てが白くなって、朝の光に、全てが光り輝く。すがすがしい朝。

原風景というのは、この感じが、気に入っていて、中学校のときは、このアングルをエッチングで書いたりもした。日曜の朝、早く起きて、スキーに行くときは、いつもこんな感じだった。
年の初めに、ふさわしい写真だと思って・・。

撮影情報:s1/233 F6.3 リコー GX200 VF KIT 
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2009大晦日の満月

大晦日は、満月。(に近い?)

月の光で、人の影が、出るくらい。子供に、「月明かりで、外が明るいよ」って言われ、せっかくだから、カメラの三脚を出して、撮影しました。
カメラは、リコー GX200 VF KIT 
icon。オートだと、露出オーバーになりすぎて、マニュアル撮影。1/800のF4.4です。実は、絞りの調整がよくわからなくて、この程度の露出。何とか、月の模様が、わかる感じです。望遠パーツも一切なしで、本体機能だけですから、結構うまく言ったんじゃないかな。
実は、その後、説明書を見ていたら、シャッターの前方のダイアルで、絞りも調整できたみたい。今度は、もう少しうまく撮れるかも。

電気照明が、夜をなくして、しまった都会で、月明かりが、すごく美しく思えるのは、僕だけでしょうか。

世の中、明るすぎませんかね。
街灯が乱立し、ビルやマンションの光も、放ち放題。その上、ライトアップとかいって、何でも、アッパーライトで下から光を当ててしまって。常に、ライトアップされた、城や神社仏閣は、僕には興ざめです。
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